読書記録

36歳から外国語を学び、通訳者へ。「台所から北京が見える」を読みました。〈語学学習者の読書日記〉

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読書記録

こんにちは!推しと話したい韓国語のみえこです。

去年から少しずつ読書を好きになり、時間を見つけては少〜しずつ気になる本を読み進めています。

韓国語学習5年、英語学習2年ということもあり語学と関わりのある本を選ぶことも多いので、読んだ本をブログでご紹介していこうと思います!

今回は、ちくま文庫出版・長澤信子さんの「台所から北京が見える」のご紹介です。

昨年購入してから何度も読み返しています。励まされつつ、なぜか涙の出てくる語学学習者の努力がつまった1冊です。

 

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台所から北京が見えるってどんな本?

専業主婦から中国語通訳の道へ

著者の長澤信子さんは21歳で結婚、22歳で出産をしました。

専業主婦として家事育児に忙しい日々を送るなか、子育てが終わった後の自分の姿を想像したとのこと。

「子供が手を離れた後、自分の人生を生きるための何かを見つけたい」と思い、中国語を勉強することを決めました。

そして子育てがひと段落した36歳から中国語の勉強をスタートし、たった4年で中国語通訳士となります。

中国語を勉強しようと決めたのは長澤さんが25歳の時のこと。そこから36歳までの11年間はなぜ勉強を始めなかったのか?というところにも長澤さんの真面目さや気持ちの強さを感じます。ここはぜひ書籍をご覧ください。

 

中国語を学びながら准看護師の資格取得、大学入学

長澤さんは中国語の学習にとどまらず、准看護師資格の取得や中国語学習のための大学入学もしました。

この‘准看護師の取得’を選んだ理由も驚きで、主婦業の間で今の自分にできること・これからの自分に必要なことを考える力が本当にすごいなと感じました。

家事育児、そして家族の介護もあるなかで、長澤さんはどんどん自分の生きる道を見つけていきます。

中国語通訳士、中国語講師、そして今回の本のような執筆といった多くの活躍をして、2007年にこの世を去りました。

 

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台所から北京が見えるを読んで感じたこと

「時間がない」「忙しい」なんて私には言えない

この本を読んでいてとにかく感じたのは、自分の甘さでした。

主婦として家事育児を行いながら語学教室に通い、准看護師の資格取得のため病院で働きながら語学以外の勉強もしていた長澤さんの日々の話を聞いていると、私なんかが「時間がないからできない」なんて言えないなと感じました。

私は一人暮らしなので自分のペースで家事はできますし、料理も自分のためなので簡易的。仕事での残業はほとんどないので、日々の拘束時間も決まっているのでスケジュールも作りやすいです。

それでも「時間が足りない」と言いたくなってしまう時があります。じゃあ時間をすべてうまく使えているか?というと、全然できていません。だらだらして予定通りの勉強ができないことも多くあります。

長澤さんは自分の持っている時間の中で何ができるのかをしっかりと考えて、それを計画通り実行できる方なのだと思います。私にはまだまだその能力が足りないです。

私も同じように、とまでは言えなくても「時間がなくて」と言い訳したくなった時はこの本を読みたいなと思いました。

 

 

恵まれる環境をつくるのには本人の努力が必要

長澤さんは主婦のかたわらで准看護の資格取得・大学生活を送っていたこともあり、ご家族の支えについても本の中で多く書かれていました。

長澤さんが中国出張で1ヶ月家を空ける時は旦那さんと息子さんで家事を分担して料理がどんどん上達していくさまや、ご家族の介護で息子さんがサポートする場面などが描かれています。

そんな長澤さん一家のあたたかさや、旦那さんが加筆で書いている長澤さんの姿の描写はなんだかぐっときてしまい、何度読んでも泣いてしまいます。

今よりもずっと昔の一般家庭で、ここまで女性が自由に生きることができたのはご家族の理解あってこそだと思います。そして、そんな理解ある家庭をつくったのも長澤さんの努力と思いが密接に関わっているのだろうと感じました。

 

ずっと先の未来を考えるのは憂鬱だけど自分のため

著者の長澤さんの凄いところは‘10年、20年後の未来を考える力’だと思います。

中国語を勉強しようと思ったきっかけの部分で‘子どもが親の手を離れた時、自分に何が残るのか’ということを考えたそうです。

こういった不安って、どんな人にもあると思います。子育てをしている方は長澤さんのように感じる方もいるでしょうし、仕事一筋の方は定年後の自分を想像することもあるのではないでしょうか。

私も今は韓国語や英語、運動などやりたいことが沢山ありますが、それでも10年以上先の自分は想像できず不安になることがあります。

ですが不安を感じつつ、なんだか10年、20年後のことって考えるのが憂鬱に感じてしまいます。想像もつかないですし、想像するための材料も持っていないのが現状です。

本の中での長澤さんは、常にずっと先の未来を見ている方でした。もちろん本には書かれていない迷いや不安もあったはずです。ですが、目を逸らさずに先を見ていた方だからこそさまざまな道が開けたのだと思います。

私は「今が楽しければそれでいい、先のことなんてわからない」と思ってしまいがちなのですが、人生を充実させるためには長期的な計画も必要であることを「台所から北京が見える」を読んであらためて感じました。

今好きなことをずっと楽しく続けていくためにも、40歳50歳と歳を重ねた自分を具体的に想像していきたいです。

 

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勉強に前向きになれないとき、励ましてくれる1冊です

私は本を読みながら感じたことをメモを残すようにしているのですが、「台所から北京が見える」を読んだ時にはこんなことを書いていました。

長澤さんの本を読んでいたら、頭に色々な言い訳が浮かんでくる。「まだまだ中国語の需要がない時にはじめたから運が良かった」「理解のある家族の元でお金も余裕があったからできた」そんなことを言って逃げたくなるくらい、羨ましくカッコいい人生だと思う。

だけど、私が長澤さんの環境だったとしてもあんな風に努力はできない。「こんな時代に主婦が学校なんて」「そんな時間はないし主婦業でいっぱいいっぱいだ」「今更語学なんて、しかも中国語に需要が出てくるのかもわからないのに」なんて言い訳をして、何もせず生きていったんだろうなぁ

結局はそんな家庭をつくった長澤さんの努力、どう時間を作るかを考えた努力、挑戦を諦めずに続けた努力、すべて努力でしかない。

人によって精一杯の努力の大きさが違うのは当たり前で、そこに優劣はなく、頑張っているということ自体に価値があると思っています。

ですが私は長澤さんのように努力する気持ちが欲しい、と本を読むたびに何度も何度も感じました。

きっと私には語学のために職を変える勇気も、これから大学に行くためにお金を工面する思いもありません。それでも私なりに今頑張りたいと思っていることをひたむきに出来るまでやっていく気持ちは忘れたくないです。

もし私がこれからの勉強で立ち止まりそうな時は、この本を読んで自分を奮い立たせようと思います。「台所から北京が見える」は人を鼓舞してくれる1冊だと思います。

 

まとめ

私は現在ちょうど30歳です。長澤さんが中国語を始めたのは36歳であることを考えると、本当に物事を始めるのに年齢は関係ないのだな、と感じます。

私が長澤さんの時代を生きる36歳だったら語学の勉強を始めることができただろうか、と本を読みながら何度も考えました。

時代も年齢も超えて挑戦し続けた長澤さんの日々は尊敬以外の何者でもなく、「私も頑張りたい」と思う糧になります。きっとこの本を読めば誰しもがそんな感情を抱くのではないでしょうか。

人の可能性を感じることができる素晴らしい1冊でした!気になる方はぜひご覧ください。

それではまた次の記事でお会いしましょう!

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